作曲家/ピアニスト 武藤健城(イーガル)の公演情報などなど日々の白昼夢。


by takekiygalmuto

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忙しさが一段落して。

今年の6月くらいからものすごい忙しさで全然本を読んだり、映画を見たりしていなかったけれど、
ここ1周間ちょっと、また本をたくさん読める時間が出来た。

正直、本を読む気に全然ならなかったここ何ヶ月か。ちょろちょろ読んではいたんだけど、
あんまり頭に入らない。何だかもう、僕は本の神様に見限られたのかと思っていたら
何てことはない、忙しかっただけでした。

10月末、正確に言うならば静岡-台北-徳島-東京-香川というアホみたいなスケジュールの前に
何とですな、何と、今年書かなければいけない曲の締め切りがほとんど終わったんです。
一番懸案だった12月に初演するモノオペラを書き上げたのが静岡に行く2日前。
やったぜーぃ、と思ったら、すかさず本を読みたくなりまくり。


で、何冊か読みました。
どれも大体良かったから、メモ程度に書いておこうと思ってます。

バートランド・ラッセル
「哲学入門」

ラッセルって、ヴィトゲンシュタインの論理哲学論考にしてやられて
成功しなかった哲学者、という印象しかなかったけれど、
ちょっと読んでみようかな、と思って、しかも本人の論理というよりも
他者を解説したものの方がいいかな、と思って「哲学入門」。
もちろん哲学全般ではなく、ラッセルの興味のある分野、認識に関しての哲学入門だけれども
わかりやすく、そして最後まで読んだら感動と爽快感に包まれて、
こんなにいい本ならばもっと早く読めば良かったと思った。
哲学の方法論というよりも、哲学が扱う事柄について何となくわかる本でした。


東田直樹
「自閉症の僕が跳びはねる理由」

自閉症の東田さんが、パソコンを使うと言葉を明確に書くことを発見して書いた
自閉症の当事者から見た自閉症が書かれた本。
素晴らしい。
本当に素晴らしい。
自閉症が知能障害ではなく、脳と言語化の齟齬によるものだということが良くわかる。
彼らも考え、たくさんの言葉を持っている。
何て幸せな本だろうと思いました。


舞城王太郎
「好き好き大好き超愛してる。」

友達が舞城のこの本が大好きだけどなんでか分からない、理由が知りたい、というから、
僕も一緒に読んで、ふむふむふむ、と思ったり思わなかったり。
舞城王太郎は初期は発売されたと同時に読むくらい好きだった。
15年ぶりくらいに読んで、やっぱり面白かった。舞城王太郎の文章って彼独自の文章で
小気味良い。
内容は、まあ良かったりそんなにいいと思わなかったり。
言葉遊びなんだと思った。


石原千秋監修
「教科書で出会った名詩100」

飛行機に乗り込むときに間違って読みかけの本を預けてしまった僕は焦りすぎて
空港内のコンビニで本を物色。赤川次郎だの宮部みゆきだの頭がいい人のメモの取り方だの、
そういうのじゃないの、ほしいものはそういうのじゃないの。せめて持ってる本でもいいから
方丈記みたいなのが読みたかったんだけど、無くて、この本をやっとこさ見つけた。
ほとんど全部知っている詩だけれど、すごく良かった。
有名な詩を改めて読むって大事だなと思って、もう何だか読んでるとニヤニヤしてしまう。
すごく幸せな気分を感じるのは、僕は本を読んでいるときだと思ったし、
そして詩を読んでるときのワクワク感は何物にも代えがたい。


バートランド・ラッセル
「幸福論」

調子づいてまたしてもラッセル。前半は不幸な理由。後半は幸せな人はどういう人か、が書いてある。
さすがはラッセル。理系の人です。理詰めで不幸と幸福を出現させていく。
がしかし、現実には不幸と幸福がコレです、と提示されても感情としては合点がいかない。
前半の不幸の原因については大変面白く読んだし、納得もしたけれど、
後半の幸福な人とは、というところでは、僕は大体幸福な人のスタンスと合致していてフムフム、と
思ったわけですけれど、
別に僕が幸福ではないのはこれ如何に。
答えは2つ。ラッセルが万人に適応できる理論で幸福を定義できていないのか、
それとも、僕が僕自身幸福であることに気がついていないのか。
どちらにしても心象としてすごい幸福と僕が思っていないので
いつか見つけられるといいな、幸福。(本当に思ってるかどうかはさておき。…ということは、
すでに幸福なのかもしれない。)


ジョージ・オーウェル
「1984」

SFの、それもデストピアものを読みたくて久しぶりに再読。やっぱり読んでいて窮屈で
もどかしい気持ちになる。
これがデフォルメされた現実世界ならばどうして生きていかれましょう。
僕は小説は小説であってほしいし、社会への政治的なメッセージであることは
あまり好きではないけれど、この小説の明確な管理社会の提示はその理由には
色々思うところもある。でも小説だからね。


竹内浩三
「竹内浩三詩文集」

23歳で戦地に散った漫画家、あるいは詩人を目指した青年の詩と文。
戦争に反対しながらしかしそこに生きた生々しくて素朴な言葉がどう仕様もなく胸をうつ。
何度でも読み直したい。



さてさて次は何を読もうか、考えるだけで楽しい。
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by takekiygalmuto | 2014-11-15 22:39 | 日記

反代官山

本日は怒りのブログのため、
代官山蔦屋が好きな人は読まないでください。







先日代官山に行きました。
代官山だなんて、フランス菓子屋さんに行って帰ってくる以外には降り立たないそんな場所に
ライブの為に行きました。
滞り無くリハ終了。本番まで2時間ほどあるので、代官山の蔦屋に行きました。

ほら、あの、雰囲気女子たちに人気の高い、何だか「知的なアタシ」になれる場所、それが代官山蔦屋。
派手な格好はしていないけど、ちょっとオシャレに気を配ってます女子がマフラーを巻いて、店内のスタバで珈琲を飲みながらパソコンを開いてる。
きっとfacebookに何か書いているのでしょ。そうなんでしょ、仕事とかじゃないんでしょ!

僕はといえば、気がついたら無くなっていたアリストテレスの本を探していたわけです。
そして罠にはまったのです…
代官山蔦屋独自のカテゴライズ。私たちは柔らかい頭です的自尊心カテゴライズ。
科学の本が羅列されているところには、大体平積みでどうでもいい素人向けの科学がちょっと良くわかる的なやつばかり。専門書はほとんどない。
さらにはSF小説がたくさん並べられている。

僕はSF大好きです。大好きだから言いたい。
SFはサイエンス・フィクションだ!
断じて科学ではない!
フィクションだと書いてあるではないかい。
科学に申し訳ない。
ていうか、全然違う。そうやってSFを科学に置いちゃうアタシに酔ってる蔦屋にいらっとする。

そして哲学のコーナーにやっていった僕。
おやおやおやおや。すでに不穏。
哲学の本がちょこっとしかなくて、何かよくわからん人の名言集とか対談集とか、自己啓発本とか、
それは哲学じゃないだろ、という本しかない。
ありえん。
挙句の果てにはバカボンとか置いてある。漫画。
いや別に、バカボンはいいんだけど、
哲学のコーナーにバカボンを置くことによって表される
ちょっといいでしょ的自己顕示欲。しかもそのちょっと感。
いらっとする。

アリストテレスのニコマコスすら無い。弁論術もない。
アリストテレス入門みたいな本はある。
物事の本質ってどこにあるの…

おそるおそる店員に聞いてみた。いいや、コンシェルジュに。
アリストテレスは小説のところにあるらしい、と分かったのだが、
どういう分類なのか…。

ちらっと横目で見た料理本コーナーには、
幸せのスープとか、丁寧に作る日々のご飯とか、
技術よりも感情に、それも薄っぺらい表層的な感情に訴えかけようとする本たちの羅列。
旅の本のところにも、あるわあるわ。
ガイドブックよりも多いスローライフ賛歌。
ああもう、旅エッセイのところに並んだ名前のオーガニック臭。
芭蕉の奥の細道もここに置けばいい!!

フツフツと湧き上がるイライラが溜まりに溜まって、
もう気持ち悪くなってきまして、
あーーー、ジャンクフード喰いてえ!!!!と叫びそうになりながら
足早に店をでる。
マクドマクド、とブツブツ言いながらマクドナルドを探すも、どこにもない。
代官山にはファーストフードが何も無い。なんじゃこりゃー。
この街は人工的に組み上げられた自然派の街なのか。
そうか、そうなのか、僕はどうしたらいいんだ。
打ちのめされて駅まで歩いて行くと、見つけたんです、大阪王将。

これこれ、こういうジャンクフードを食べたいの。
人生初めての大阪王将に入店いたしました。

…が、何で、何でなの。
大阪王将の中がちょっとオシャレで、そして置かれた雑誌群。
どれもこれも綺麗そうな写真ばかりをたくさん並べた旅行雑誌やらなにやら、
何一つ情報の無い情報誌。

あぁぁ…

撃沈。


僕は代官山と全然仲良くなれないのでした。
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by takekiygalmuto | 2014-11-08 13:48 | 日記