作曲家/ピアニスト 武藤健城(イーガル)の公演情報などなど日々の白昼夢。


by takekiygalmuto

愛のむきだし

今日の昼間、やっとこさ園子温監督の「愛のむきだし」を見てきました。
早稲田松竹の上映、どうやら相当混んでるらしいとは聞いていたものの、ビックリな混み方。
木曜の10:20開始だってのに、満席ってどういうことっ!!

物語は、カルト宗教と闘ったり、洗脳されそうになったり、盗撮したり、愛を模索したりする男の子の話で、
AAAの西島君が演じている。

何か

「心の底から、ぼっきーーーー!!」

とか叫んだり、相当イメージと違う感じの役柄で盗撮王子とか呼ばれている。

もっと、静かで重厚な映画かと思っていたら、そうでも無く、かなり軽くポップな雰囲気。
だから4時間あっても、あっと言う間に終わってゆくような感覚はある。

けれど、紆余曲折ありながら自分の愛を探す、ということが命題なのであれば、こんなにもカルト宗教を絡めたりする必要はないんじゃないか、と思う。
これは、ただ単に、園監督が、こういう映画を撮りたかった、ということがそのまま形になっただけで、何かを伝える手段としての物語では無いと思った。

カルト宗教集団からの家族の奪還と盗撮は事実に基づいているらしいけれど、他の部分はフィクションで、
一人の少年が、神父である父との間にある「罪」への食い違い、「罪」の意味のはき違えから、盗撮行為を始める。もちろん分かって使ってるのだとは思うけれど「原罪」の意味は全く誤解されて映画の中では使われ、懺悔をするために罪を犯す、ということが映画の中で行われてゆくが、それはあまりにも短絡的な間違い方で、ほんの少し違和感を覚える。
父に毎日、懺悔を迫られ、懺悔をすることが無いために、罪を作ろうとする少年。
しかし、映画が進めば、なぜ盗撮をするのか、と問われたときに、それはキリスト教的な「罪」を作るためであり犯罪行為をするためではない、と答える。
自分の中でのその確信があるのであれば、懺悔の意味を間違えていることに違和感を覚えた。

そのあとは、父は愛人を持ち、その継子を愛する少年の葛藤から、梶芽衣子な女囚さそりの女装をして、
継子の少女を救ったり、盗撮を続けていたりする。
そのうちに、カルト集団にその疑似家族を連れ去られて、救出劇へ。

最後には愛を見つける、というような話なんだけれども、
全編荒唐無稽なアクションやバイオレンスに彩られていて、カルト宗教や盗撮の、ともすればシリアスになりそうな題材を、軽い雰囲気に仕上げているのは、とても良かった。

良かったけれど、何かを得た気分にはならず、
何となく、岩井俊二監督のさわやかな青春映画みたいな、リリィ・シュシュのすべてみたいな、それのちょっとダーク版といった具合な気がして、あんまりにもさらりとしている映画で、
ちょっと、僕は残念でした。

西島君の演技がとても苦手でした。
しかしそれとは逆に、元FOLDERの満島ひかりとカルト集団の手先を演じる安藤サクラがとても良かったです。


見よう見ようと思っていたわりに、
見てみれば、
僕にとっては、あまり意味のある4時間では無かったです。
でも、面白い映画だったよ。
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by takekiygalmuto | 2010-03-18 19:08 | 日記