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作曲家/ピアニスト 武藤健城(イーガル)の公演情報などなど日々の白昼夢。


by takekiygalmuto

病名は

アメリカに住んでいた頃、突然、
頭の中にものすごい数の映像と音楽が一気に流れまくって、
しかも幻覚が見えるRunning Thoughtsという病気になった。
これが、ものすごく大変でしんどい病気だったわけですが、
お医者さんに行ったら、薬で抑えることはできるけれど
クリエティビティーが失われる可能性があるけどどうしましょう、と言われ、
しかも、この病気にかかった有名な人が、モーツァルトとかアインシュタインだとか
言うもんだから、苦しいながらも、幻覚やおそろしい数のイメージ映像を
抱えながら、まァ、やっていこう、と決めた。

それから先、そう頻繁ではないけれど、Running Thougthsはやってきた。
んでもって、結構限界に近い感じになってきて、日本に来たわけです。
段々回数も減ってきて、最近ではほとんど出なかった。

でも、1か月ちょい前くらいから、毎日がフワフワして、
非現実感にずーっと包まれている。
こりゃおかしいなァ、と思いつつも、毎日フワフワしていたわけですが、
あんまりにもフワフワしていて、自分が自分じゃないみたい。
ヒドいときは、自分を違う場所から見ているような感じで
景色もまわりの音もすごく遠く思える。
そんな中、先月からライブをしてるわけだけど、もう何が何やら、
自分が歌ってたり、ピアノを弾いてることが認識できない。
麻薬をやってるわけじゃないのに、フワフワ。
ずっとお酒を飲んでるみたいな、寝起きみたいな、フワフワ。

何ていうんだろう。
存在とは何か、ということが、常に疑わしい状態で、
やっぱりハイデガーを読んだらいいのかな、とか思ったり、
メールや電話をしていても、本当に向こう側に相手がいるのかどうかも
疑わしい。
社会とは何か。つーことは、ハイデガーの後には、ケインズを読まねばならぬのか。

病気なのか、それとも、哲学的な人間になったのか、
真剣に考えたりしたけれど、こりゃあおかしいと思って
病院に行くと

病名は

離人症。

自分が自分から離れていって、非現実感に満たされまくる病気らしい。
ただ、階段から落ちそうになったり、信号をちゃんと見られなかったり、
若干の危険はあるんだけど、
おおむね、日常生活には支障がないので、一見普通に見える。
自分としては、現実を認識することが難しくて、
常に夢の中にいるみたいな状況で、フワフワしてるわけですが、
ここ2、3日、少し症状が良くなってきていて、
存在に関しては何となく理解できるんだけど、どーも社会とのつながりが良く分からない。

何とかしたいんだけど、別に治療法もあるわけじゃないので、
グダグダしたりフワフワしたりしてます。

ということで、フワフワしてるだけでいつもと何ら変わらないイーガルですが、
しばらくの間、フワフワしたまんまで生活してます。
そんなこんなで、よろしくお願いいたします。
by takekiygalmuto | 2010-05-18 03:13 | 日記