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作曲家/ピアニスト 武藤健城(イーガル)の公演情報などなど日々の白昼夢。


by takekiygalmuto

10月の読書

10月はどうやら結構本を読みました。
何かキリスト教関連の本が多いけど…さ。



『探偵宣言』 芦辺拓
何か昔お会いしたことあるミステリー作家の人で
そう言えばまったく読んだことなかったから読んでみた。
何となーく、何となーくな感じですぐ読み終わりました。



『100分聖書』  マイケル・ヒントン
英国国教会の監修の聖書抜粋版。
作った理由が、全世界で最も買われていて最も読まれていない本の要約版、ということなので
確かにざっくり要約だけどとっても分かり易い。
特に旧約聖書の創世記からバビロン捕囚までの流れがかなり簡潔に分かるので
ざっくり聖書としては大変素晴らしかったです。


『僕たちが聖書について知りたかったこと』 池澤夏樹
聖書について知りたかったことは全然分かりませんでした。
聖書というか、ほぼ旧約聖書の成り立ちというか、どういう伝統の上に
ユダヤ教が成り立って、いかにキリスト教との差があるか、っていうような感じの対談集。
対談相手が立教の先生だからもう少し新約の話もたくさんあるのかなー、と
思ったら違った!


『預言者』 カリール・ジブラン
久しぶりに何か、胸に響いた小説。
小説というか散文詩というか、ホントに短い話なんだけど、
何ていうか、生きるときに大切なことを事細かに教えてくれる本な気がした。




『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』ジェレミー・マーサー
パリにある実在の書店の日々を作者が綴ったもの。
いろんな人が来て、その書店に寝泊まりしながら小説を書いたり、
グダグダしたりしてる。
店主がコミュニスト的な思想で、
ちょっと僕にはコミュニズムはあんまり理解できないので
結構冷めた感じで読んでしまったけれど、
好きな人は好きなんだろうなー、この本。というような大変良質な本ではあると思います。


『ロシアの文豪が子供のころ聞いた旧約聖書物語(上・下)』 アレクサンドル・ソコロフ編
19世紀末のロシアで大勢の人に読まれていたらしい旧約聖書の抜粋版。
前述の100分聖書よりもより詳しく書いてある。ただ流れを追うのであれば、
100分聖書の方がシンプルで分かり易かったので、読む順番としては
100分聖書が先で良かったなー、って思った。
てか正直旧約聖書を全部ちゃんと読むのはしんどいから
この本とっても良かったです。


『文士の魂・文士の生魑魅』 車谷長吉
車谷長吉がおおくりする様々なジャンルの小説紹介と車谷の半生を織り交ぜた
大変読み応えのある、但し小説をあんまり読んでない人には
全然役に立たなそうなエッセイ集。
別にマニアックではないけれど、日本近代文学をある程度知ってないと
読んでも面白くないかもなーって本でした。



『ユタと不思議な仲間たち』 三浦哲郎
田舎に引っ越してきた都会の少年が座敷わらしたちと仲良くなって
成長していう話。
あっという間に読める子供向けの寓話。
すごく素敵だった。
水上勉の『ブンナよ、木からおりてこい』も大変素晴らしい児童文学だったけど、
これもとっても良かったです。


『動物農園』 ジョージ・オーウェル
レーニンとトロツキーの確執を動物たちが自分たちで運営する農場にたとえた話。
正直僕はあんまりおもしろくなかった。



『水晶』 アーダルベルト・シュティフター
伴田良輔さんに勧められて読んだ。
奇跡のように美しい小説。クリスマスイブに山の中で迷子になってしまった幼い兄妹が
一夜を山で過ごして幻想的な水晶みたいな氷の洞窟で過ごす。
幻想的でありながら、そこに19世紀には廃れつつあったドイツロマン主義の美しさもあって
さらに何よりも自然描写が本当に素晴らしい。
伴田さん、ありがとうございました。何か、とっても良かったです。



『人性論』 デイヴィッド・ヒューム
僕は基本的には19世紀前半くらいまでのドイツ的な考え方で生きてしまってるので
イギリスの合理主義というのをちょっと学ばねばって気持ちで読んだ。
まァ人性論というからには一体どのように人の思考は成り立ってゆくのかという内容なんだけど、
ヒュームの思考の道筋というか、そういうところから何となーくイギリス的な思考回路が
見えたかもっていう感じでした。
ただ言及する事柄がシンプルであるが故にちゃんとした理解が大変でした。ていうか
多分ちゃんとは理解できてない。


『薔薇の名前(上・下)』 ウンベルト・エーコ
中世イタリアの修道院で起きた連続殺人事件の話。
ミステリーとしても大変面白いとは思うんだけど、僕には
中世のキリスト教の混沌具合を何となく理解できた雰囲気で
良かったです。
てか、エーコの小説、違うのも読もうかなって気になった。


『キリスト教』 ブライアン・ウィルソン
ユダヤ教からいかにキリスト教は発生し現代に至るのかという説明。
とりあえずざっきりキリスト教が現代でどんな方向に向かっているのかは
見える。






さーてさて、僕は現在、エミール・ゾラの『居酒屋』を読んでます。
ほぼ昼ドラです。
女同士棍棒で殴り合ったり、そりゃあもう凄いです。
by takekiygalmuto | 2010-11-04 02:13 | 日記