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作曲家/ピアニスト 武藤健城(イーガル)の公演情報などなど日々の白昼夢。


by takekiygalmuto

月と踊り子

静岡のあそviva!劇場にて
バーバラ村田とイーガルの「月と踊り子」初演をして参りました。

何だか沼津ではながめくらしつが出演していたり、
静岡でも僕たちの公演終了15分後には、チャタさんとSafiちゃんのショーがあったりと、
てんこ盛りな静岡でした。

ながめくらしつからのバーバライーガルからのチャタサフィというツワモノも結構いたのではないでしょうか。


月と踊り子は、バーバラがもともとソロでやっていた演目。
それを今回、別の形で舞台作品にしよう、ということになりました。

漠然とした音楽イメージを具体的な音楽にしていく、という作業は大変ですが、
結構好きなんです。
ゼロから物を作り出すよりも、ある程度の枠組みがあって、その中でできることややるべきことを探すという作業。
なんていうんでしょうか、
必ず正解があるはずで、それを見つける作業というのでしょうか。
ゼロからものを作る場合、正解がない可能性があるわけです。
やってみたけど、
全部無駄、みたいな…。
でも、ある程度の全体像が見えている場合、必ずその作品における正解は存在していて、
その正解を探すというのが、
心地よかったりします。
砂山から砂金探し出すみたいな、途方もない確率でも必ず答えがある、という安心感は何事にも代えがたいと思うのです。

今回、月と踊り子は新しいバージョンが出来上がりました。
ご覧いただいた皆様ありがとうございました。
そして、これから色々見えた課題を修正しつつ、長く演じられる作品にしていきたいと思っております。




さて。
大道芸もやりました。
「かたわれ」をですね、静岡の中心地、札の辻でやったときのことです。
何やら巨大スクリーンがありましてですね、5分に1回くらい
「最終決戦!」
って言うCMが流れるんです。
あらやだ、どうしよう、と思いましたが、
僕は決めたんです。
「今日のテーマは共存。」

ということでCMの音と目まぐるしく晴れと雨に変わる天気と、帽子と譜面台を飛ばす強風と共存しながらやりました。
何だか楽しかったです。


プロである以上どんな条件でもそれをプラスにしなければいけない、と改めて思いました。
精進します。



3月後半から6月くらいまで告知できるものがいくつかあるはずなので、
近々出演情報ちゃんと更新しようと思います。



# by takekiygalmuto | 2019-03-20 19:44 | 日記

ハイスペック男子

こんにちは、イーガルです。
いつも通りぼんやり過ごしておりますが、
最近ですね、前にも書きましたが、わけあってタワマン暮らしをしております。
そうなんです、3月中旬に終わるはずだった家のリノベーションが終わるに終わらず、帰るに帰れず、
私、未だタワマンなる謎の建造物で暮らしております。

なんていうんでしょうか、ミニマリズム?
とにかく物が少ない。あほみたいに少ないんです、ここ。
オサレでスッキリした部屋の中に何もない。

んでもってね、
意識高い系タワマンでの仮住まいのイーガレッティは
借りぐらしをストレスなく過ごそうとした結果、

あんなにも、ちょっとなぁ、という気持ちに勝手になっていた
僕的二大雰囲気男子

無印男子
ハイスペック男子

をですね、
何と補完してしまうという大変な暴挙に出てしまったのでした。

僕の勝手なイメージでは
無印良品なるブランドは
シンプルで良いものとか言いながら
実は安くもなく良くもなく、普通の値段の店
だと思っていて近づかなかったんです。

でもな、
このミニマリスティックなミニマリズム生活は結構キツいので
ちょっとばかし無印良品のお世話になってみようかと店舗へ行ったんです。

え。
めっちゃ使えるじゃん…

ごめんなさい神様。イメージだけでなんやかや思っててすみませんでした。
ボディソープとか拭き取り化粧水とかなんか知らんが仮住まいには丁度いいサイズでお手頃価格で
こんなにもあなたたちはわたしの生活を考えていてくれただなんて…

ということで現在、いろいろな備品が無印良品です。
晴れて僕も無印男子になりました。

いけませんね、イメージだけの偏見。
まずは飛び込め!
格言です。はい、今作りました。


んでですね、僕はパソコンってほとんど使わなくて、楽譜を書くか音源を作るか、くらいしか使ってなかったわけですが、
やっぱり必要に駆られて、
ノートパソコンを買ったんです。
現在もミニマリズムに溢れた(言語矛盾)何もないこの部屋でマグカップ(これだけはなぜか部屋の備品で最初からあった)に
コーヒーを入れて、パソコンに向かって何やら文字を打ち込んでいるわけですよ。
さらに、このパソコンには楽譜制作ソフトやら打ち込みソフトやらが入っていて、
こないだなんか、ちょっとこのパソコンを持って、オサレなコーヒー屋さんになんか行っちゃってさ、
気づいたんです。
これは、まさか!!

ハイスペック男子なのでは!!

いやぁ、まさか、じ、自分がハイスペック男子になるなんて、そんなわけないじゃないか、と自戒しつつも
やってみました。
スタバでfacebookを開く、という、あの恥ずかしい行為を。

そしたら
開けるじゃないですか…

ちょっと楽しい…

だなんて思ってしまった。

恐ろしい。いとも簡単にナウいことができるだなんて。
文明の力とはこのように人を侵食していくのですね…

そうそう、最近気づいたんですが、
TwitterがFacebookと連携できなくて、インスタ発信にすると
両方とも瞬時に連携してくれるんですね。

ということで、インスタから色々発信しているので、
突然イーガルさんがインスタやらFacebookに投稿頻度があがったように見えるのは気のせいです。
利便性の問題です。

まあ、そんなこんなで
現在のイーガルはミニマリズム×無印×ハイスペック
という、雑誌に出てきそうな生活をしております。

きっつい。
早く、本に包まれた、物に溢れた部屋に帰りたい。
とか思いつつ、このオサレ生活もいいもんだ、とよくわからない葛藤の中におります。


さて、今日は詩集を買いました。
うわぁ、何か雰囲気系男子がしそうなことですね。
でも全然そんなオサレな詩集じゃないですけど。

三月末からイベント、大道芸フェス等々…現状7月終わりくらいまでは突っ走るようなスケジュールになっておりますが、
頑張ります。

役に立たないブログをちゃんと書こうと思います。

# by takekiygalmuto | 2019-03-20 19:23 | 日記

岬の兄妹

最近、どんな映画を見ただろうか、と思ったら、

「サスペリア」のリメイクと去年の夏に見損なった「クワイエットプレイス」をやっとこさ見て、
あとは、3月1日公開の「岬の兄妹」をひと足お先に見させて頂きました。

「サスペリア」は丁寧な映画作りでとても良かった。
「クワイエットプレイス」も叫べないという抑圧された恐怖と映像の美しさ、そして何より音の使い方のうまさが素晴らしかったです。


でもな、何より、「岬の兄妹」ですよ。
僕は二ヶ月くらい前に見させてもらいましたが、これがもう、見終わってから何とも気持ちの置き場の困る代物で、
やるせないというか、ダメ人間映画というか、それなのにどこか心に引っかかる何か。
知的障害の妹を身体障害のある兄が売春させる、という話なんですが
これが行き場のない切なさに満ちていて、
その中で急に訪れるもどかしさの発散やら、青春の美しさみたいなシーンやら、
見どころしかない映画でした。

が。
全然ヒューマニズム映画ではないので、たくましく生きるだとか、貧困問題だとか、兄妹の美しさだとか、障害者版万引き家族だとか、そんな風に思って観てしまうと、カウンターパンチを喰らって、ノックアウト負けになるような映画ですので、ご注意ください。
もっとギリギリの映画です。やむにやまれずそんな環境に陥った貧しさを描いた映画ではないのです。
むしろ、そうやって生きるたくましさやズルさ、人間は美しく汚く弱くたくましい、というような
相反するたくさんの感情を相矛盾しながら抱え込んで、フラクタルに存在している、というような言葉では説明できない矛盾に満ちた人間の生き様をそのままむき出しに映像に映し出している、そんな映画です。

観てから結構時間が経ってますが、ふと、あぁ、あのシーン美しかったな、とか、なんか良かったな、とか
思い出す度に、どんどん美化されているので、
もう一度、映画館で観て、やっぱクソだな、と上映後に思いながら、それでも尚いい映画だなぁ、としばらくしたら思うんだと思います。


明日3月1日から公開されます。
ので、よかったら覚悟して、観てみてください。





# by takekiygalmuto | 2019-02-28 13:28 | 日記

タワマン暮らし抄

わたくし、訳あって一ヶ月ほどタワマンというところに住んでおります。
タワマン、ええそうです、巷でウワサのタワーマンション。
ハイスペックなオサレピーポーがこぞって住んでいるというあのタワマンでございます。

理由は至って簡単でして、自宅をリノベーションしているので、
その間だけ違うところに住んでるわけですね。
ギリギリまでどこに一ヶ月住むか決めていなかったために
マンスリー貸しをしてくれる場所を探していたら、タワマンになってしまったわけです。


家具付きなんですけど、これがですね、なんというかミニマリストかというくらい何も無い。
電気調理器1つ、その下に洗濯乾燥機がついているという機能性重視の設計。
最小限を下回る調理器具類。
なんですか、この何もない空間は。
こんなところでずっと生活するなんて、とてもじゃないけれど僕には無理、というそんなところでございますが、
そこに楽器類を持ち込んで、とりあえず1ヶ月凌いで行こうと思っております。


ミニマリストイーガルは、ミニマリストらしく本なんかも全然持ってこなかったので、ちょろちょろ自宅に帰っては本を持ち出したりしております。

タワマンに来て読んだのは、

平井和正 「日本SF傑作選4 平井和正 虎は目覚める/サイボーグ・ブルース」

こちらは、日本屈指のSF作家の一人、平井和正の傑作選です。はい、タイトル通りで何の説明にもなってませんね。
この日本SF傑作選シリーズ、とにかく収録作品の選び方が素晴らしい。今回は、「サイボーグ・ブルース」が全編入っているという素晴らしさで、初めて読みましたが今読んでも古さを感じない素敵な物語でした。
さらに、「デスハンター エピローグ」が最後に収録されていて、これさ平井和正の「ゾンビーハンター」のエピローグなんですよ、ゾンビーハンターを読んで無かったらただのネタバレという、やはりSF好きのための選集。今回も楽しく読ませて頂きました。

小川哲 「ユートロニカのこちら側」

タイトルからちょっと雰囲気SFなのかしら、なんて思っていてごめんなさい。もっと深く、観念的なSFでございました。
個人情報を開示し、モニターされ続ける街の話です。連作短編という感じですが、このような個人情報開示、管理社会というものが近未来に訪れうるものとした上で、良し悪しは個人の見解の相違であって、善悪を問うものではない、というスタンスが素敵でした。
SFというよりは、SFガジェットを使った社会批評的な(批判的な、でも、肯定的なでもなく)、奥深い小説でした。
この本のあとがきを読んでいたら阿部和重の「インディヴィジュアル・プロジェクション」を読まざるを得ない気持ちになって(短絡的)、読むことにしました。

阿部和重 「インディヴィジュアル・プロジェクション」

ということで、「インディヴィジュアル・プロジェクション」。久しぶりの再読。初めて読んだときは、サラッと、ほへぇ、というような感想で読み終えた気もしますが、なかなか読み応えのある小説でした。
小説内で物語が進むにつれて、混乱する物語。人物が他の人物と同一化していき、それが誰のどんな主観に基づく、物語内の真実なのかが、見えなくなってゆく。明快な設定のうちに始まったはずの物語が、読み進めるにつれて胡散臭く、モヤのかかった混沌へと変わってゆく。それがエンディングで解消されたときに、あぁ、全くもう!という何とも言えない気持ちだけを残して終わってゆく。素晴らしいです。阿部和重作品、ちょっとまたいくつか読み返そうと思いました。

三浦俊彦 「エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える」

涼宮ハルヒシリーズの短編で、ハルヒが夏休みらしいことをやり遂げるまで永遠のループを繰り返してしまう主人公たちを描いた「エンドレスエイト」がアニメ化されたとき、8週に渡って、ほとんど同じ物語が若干のセリフや衣装を変えただけで8回繰り返し放送されたハルヒファンドン引きの謎ムーブを見せた「エンドレスエイト」をモチーフに、人間原理からTV版「エンドレスエイト」を定義する、一応哲学書。いや、内容は哲学書ではなかったです。人間原理の話も出てきますが、様々なアプローチから「エンドレスエイト」を見た場合、どうあがいても駄作、失敗作である、と結論が出され、しかし、そこから別の分野のアプローチを仕掛けると、突然意義のある傑作として受け止めることが可能になるというような思考実験の本。
「エンドレスエイト」をコンセプチャルアートと定義してみたり、それをディナイしてみたり、色々こねくり回すと、宇宙生成の話にまで拡大していく、というとんでもなくアホらしい思考実験なのですが、面白かったです。
ただし、著者の言う結論に至るには少々強引な手続きが多すぎるので、これをそのまま真として受け止めるには難しく、「著者の命題が真であるのならば」という条件付きで成り立つ解であるように思います。理論の置き換えも、ちょっと飛躍しすぎてそこは丁寧な説明が必要だろう、と思うことも無きにしもあらずです。
あと、専門用語なのでしょうがない部分がありますが、実験音楽の文脈で、十二音音楽、セリー技法…という羅列があるのですが、これは誤謬でしょう。十二音音楽=十二音技法で、それはセリーを使ったものなのです。セリー技法は、トータルセリエリズムのことを指しているような気がしますので、再販される際は、十二音技法、トータルセリエリズム…に変えるのが妥当かと思いました。

まぁ、そんなことはさておいて、すごいしょーもない事柄を、様々な面から検討して、否定する。否、となったところに別の道筋を見出す。否定から答えを導く、というやり方。谷川渥先生の「美学の逆説」的な展開で、人間原理のロジックをたどっていくのは大変面白かったです。
もう最後の方は、理論がどーのとかいうよりも、突っ走っていく勢いに笑いっぱなしで読み終わりました。
大変、ためになる面白い本でした。
ハルヒファンじゃなくても楽しく読める本です。


さて、次は何を読もう。






# by takekiygalmuto | 2019-02-28 13:05 | 日記
去年もいろいろありましたが
一番くだらなくて、どーでもよかったことはなにかな、と思いました。

なんだろう。
良かったこととか楽しかったことは、そりゃもう良かったし楽しかったから覚えてるよね。

でもくだらなかったことなんて、くだらなさすぎて全然覚えてないわけです。
もう、覚えてる時点で、それはもはや何かしらの思い出を伴ったくだらなくないことになってしまうわけで、
そんなわけで、去年一番くだらなかったことは、忘却の彼方にあるわけです。

さて、それでも何かくだらないことはなかったのか。
あったはずだ。

と、これまた手帳を見ながら考えてみます。

でもね、くだらないことは、ふいにやってくるわけで、
予め手帳に「くだらないことが起きます」だなんて書いてないわけです。
だからその、手帳には何も書いてないわけですよ。


じゃあ、何か僕なりに、くだらないこと=そんなに労力をかけなくてもいいものに渾身の匠の技を使ったもの=無駄遣い、と仮に定義してみたらどうだろうか、と考えました。
僕なりにしょうもないことに労力をかけたら、面白いけどくだらないなーぁ、と思うわけです。

何があったかしら、と思ったら、夏頃ですね、五次元歌謡ショーという、イベント名からもわかるくらいに、良い意味でくだらないイベントがありまして、それはですね、巨大なち○こ型ミラーボールを中央に鎮座させて、その周りで盆踊りをする、という櫻田宗久主催の大変有意義な催し物でして、それに出演した際に、夏をイメージした曲を歌う、というお題を頂きました。
色々考えた結果、「悪魔くん」の主題歌を、えーとあれですよ、エロイムエッサイム エロイムエッサイム ほらバランガバランガなんちゃらなんちゃらほい、って歌ですよ、それをピアノ弾き語り用にものすっごいアレンジしたんです。
その一回きりしか披露してないので、大変な無駄なんですが、これが結構労力がかかっていて、その結果報われないこの感じ、くだらなくて大好きです。
というか、一緒に出演していた内田春菊さんなんて、コーヒールンバ歌ってたし、夏をイメージした曲、って一体…。

あぁ、あれが去年一番くだらない出来事だったな、と大変楽しく思い出しました。
いや、いい意味でくだらないんです。

そんなイベントをしたサラヴァ東京ですが、2月17日にクローズしてしまいます。
僕は青い部屋が無くなって以来、プレオープンから出演させてもらっていたお店。
サラヴァ東京が無くなるのは複雑な思いですが、
今月の14日のセクシー大サーカスの、渾身のパフォーマンスをしようと思っておりますので、
みんな来てね。

2019年2月14日(木)「セクシー大サーカス」
渋谷 サラヴァ東京
18:45 オープン 19:30 スタート
出演:セクシーDAVINCI、イーガル、加納真実、目黒陽介、長谷川愛実、Yo-yo entertainer TOMMY
前売り 2900円 当日 3400円



あ!!


思い出した。

去年一番くだらなかったのは、ステージで演奏中にZOZOスーツを着て、お客さんに写真を撮ってもらって、
僕のサイズを測ろうとして買ったZOZOスーツを未開封のまま、放置してることだ。


いや、不毛。


今年も何一つ役に立たないブログ、がんばります。

# by takekiygalmuto | 2019-02-07 22:29 | 日記